卓球をプレイするにあたって、リラックスすることは重要です。
初めての大切な1戦では、誰でも緊張してしまうものですが、一流と呼ばれるアスリート達は、緊張とリラックスを自分自身でコントロールしています。
リラックスの重要性
水泳の選手が飛び込み台の上で首を曲げたり手をブラブラとさせたりしている姿をあなたも見たことがあると思います。
あれは見ての通り、体を、そして頭をリラックスさせているところですが、なぜ、あのようにリラックスする必要があるのでしょうか?
かーっと体を、頭を興奮させてレースに入ってはダメなのでしょうか?
パワーを出すためにリラックスする
人の体と頭の中は、緊張すればリラックスする、リラックスすれば緊張するというように、常に入れ替わっていくようになっています。
従って、リラックスした状態で、大切な一瞬に向けて、一気にパワーを集中するというやり方が成り立つのです。
緊張するとパワーが出るが…
緊張すると、アドレナリン、ノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。これらは「闘争・逃走のホルモン」と呼ばれています。
プロゴルファーが優勝争いの極限の中で、普段のプレーの時よりも、ボールが飛んでしまうという現象があります。
一流選手は、体験的にこのことを分かっていて、優勝争いの局面では一番手短いクラブを使ってショットをします。
まさに、これは、緊張した時のアドレナリン、ノルアドレナリンの影響です。
弱々しいお母さんが、火事の時にタンスを持ち上げた、いわゆる火事場のバカぢからの実態もこれです。
卓球というスポーツにパワーは必要か
卓球の試合の中で、緊張によって生まれるパワーが必要な時ってどんな時でしょうか。スマッシュ、パワードライブあたりでしょうか。
ドライブ主戦型同士で中陣で打ち合う時や、カットマンに対して、ドライブの緩急をつけるのに、緩いドライブと強烈なドライブを組み合わせるなどフルパワーを使う時はあると思います。
しかし、本当に渾身のフルパワーを使ってボールを打っているのでしょうか。
緊張すると思考力は落ちる
渾身の力でボールを打つ瞬間は、卓球でも野球のバッティングでも、思考力が下がります。パワーを集中するためにバカになるといってもいいでしょう。
しかし、卓球は頭脳を使って戦うゲームです。ボールをフォアへ返そうかバックへ返そうか、ボールの回転量はどの程度か、撃ち合いながら考えなければなりません。
たとえぽ〜んと弾んだ絶好のスマッシュを打てる場面でも、ボールを打ち返す寸前まで思考力を維持できれば、頭脳的プレーが可能になるでしょう。
そのためにこそ、リラックスすることが必要なのです。
冷静にファイトする
元サッカー日本代表監督の岡田武史氏は、フランスW杯のアジア地区予選当時、予選突破絶体絶命のピンチになっていた選手たちに、
「冷静にファイトしろ」
という言葉を投げかけました。
「冷静にファイトしろ」は、リラックスしていないと実行できないのです。
脳の構造上、リラックスしていないと思考力(IQ)が落ちてしまうからです。
「気持ちで戦う」などとよく言いますが、それでは考える力が落ちてしまうのです。
言い方は悪いですが、相手をおちょくったようなトリッキーなプレイは、リラックスした脳の状態だからこそ可能なのです。
卓球も同じです。
緊張とリラックスを素早く入れ替える練習をしよう
卓球は、頭脳をフルに使ったスポーツです。頭脳を使うからこそボールを打つ以外の部分でのリラックスが必要になります。
ボールを打つ寸前までリラックス出来ていれば、思考力が落ちずに、相手のボールの勢いを利用して、逆に相手を振り回すこともできるわけです。コースどころか回転の変化まで加えて返球することだってできます。
脳を興奮させて、脳内IQを落として強打する場面と、リラックスして脳内IQを維持し、相手を振り回し翻弄する場面を、卓球は瞬時に入れ替えることを求められるスポーツなのです。
- リラックスと緊張を即座に入れ替える練習
- 強打する直前までリラックスして思考力を落とさない練習
これらを意識して、反復練習しましょう。
頭脳プレイとパワープレイの連携をよくすれば、必ず強くなります。
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